Express Entryの最近のトレンドと今後

連邦政府の移民申請管理システム、Express Entry(EE) がスタートしてから2年以上が経過し、今年に入って旧システムの未審査ファイルも一掃されてフル稼働の状態となっている。EEプロファイルを受理された候補者に対して行われるDraw(選定)は、現在1カ月に2回のペースで行われており、今年第一四半期には合計24,652人にITA(移民申請の招待)が発行された。政府は今年の連邦エコノミッククラスからの永住権発行枠である約73,700人を満たすために、実際には申請に至らなかったり申請を却下される数を見越して、今後も発行数を幾分多めに維持することが予想される。

それに伴ってITAを受けることのできる最低スコア(Cut off) もじりじりと下がり続けている。事実、この4カ月間に最低スコアは約50ポイント下がり、4月19日に行われたDrawでは415ポイントとなっている。

一方、昨年11月のルール改訂でArranged Employmentのポイントが600から50に減ったのに対して最低スコアの下がり方が足りないと感じる人も多いだろう。しかしながら、これまで申請を諦めていたArranged Employmentのないカナダのカレッジ卒業生、PNP取得者、カナダ国外在住の高学歴で語学堪能な20代の若い申請者など多様な層にチャンスが広がり、さらにトランプ効果も加わってEEへの参加者自体が増えていると推測される。今年の6月からは、フランス語の高スコア取得者やカナダに市民権や永住権を持つ兄弟が居住する場合には追加ポイントが与えらることになった。この影響は比較的軽微と思われるものの、今後スコアがさらに100、200と下がるかどうかは疑問だ。

こうした背景を踏まえてEEにこだわってスコアを上げる努力を続けるべきか、他のパスを検討するか、そろそろ決断すべき時期に来ているのかもしれない。例えば、今年の3月からスタートしたカナダ東部4州のパイロットプログラムは、申請要件は高卒以上、カナダ国内外を問わず1年の職歴と当該州の雇用主からのジョブオファー(共にスキルレベルCまで認められる)、英語はCLB4以上と極めてバーが低い。とは言え、それほど大きいとは思えないこのカナダ東部4州の雇用の受け皿を考慮すると、アクションを遅らせるとジョブオファー取得自体が困難になるのは目に見えている。カナダ移民に関する限り、早い者勝ちの原則は今後も変わりそうにない