Express Entryルールの2年ぶりの改訂

今月は、11月19日付で発表された連邦政府の移民申請システム、Express Entryのルール改訂について、そのポイントを説明します。

2015年1月より始まったExpress Entry(EE)ではこれまで47回の選定(Draw)が行われ、その間蓄積されたデータと、移民省大臣によるパブリック・コンサルテーションを通じて集められたステークホルダーからの声を考慮する形で、初めてのルール改訂が行われることになった。システム自体の大きな変更はないが、EEのプロファイルを提出した後に政府から移民申請の招待(ITA) を受けるために必要な、Comprehensive ranking system(CRS)のポイント配分に変更が加えられた。

最も大きな変更点は、雇用主のジョブオファーについてである。従来の600ポイントから大幅に下がり、カナダの職業分類(NOC)上、00 (シニアマネジメント)が200ポイント、NOCの0、A及びBに至っては50ポイントまで下げられることになった。尚、ジョブオファーはパーマネントである必要がなくなり、移民後最低1年以上の雇用のアレンジで十分となった。

さらに、このポイントを取得するためにはこれまでLMIA(Labor Market Impact Assessment)が必須だったが、ワークパーミットに雇用主名が記載されている北米自由貿易協定(NAFTA)のプロフェショナルワーカー、企業駐在員などは、1年以上の就労実績と同一雇用主からのジョブオファーがあれば、新たにLMIAを申請することなくポイントを付与されることになった。

要望の強かった留学生に対するボーナス(と言えるかどうか疑問ではあるが)ポイントが付与されることになった。1年もしくは2年のカナダのポストセカンダリー・プログラム修了者には15ポイント、3年以上のプログラム修了者、修士号、専門職学位、PhD取得者には30ポイントが加算されることになった。

今回の改定によってITAを得るための最低点がどのように変化するかは今後何回かのDraw結果を見てからでないと何とも言えないが、ジョブオファーのポイントが大幅に下がったことによって全体的には最低点は下がると予想される反面、先日のアメリカ大統領選の結果を嫌気するNAFTA プロフェッショナル、LMIA取得が難しく移民申請を諦めていた駐在員やリサーチャー、留学生のグループの中でこのシステムへの参加者が増えることにより、より一層競争は厳しくなると予想される。