ファミリークラスの国内申請は本当に変わったのか?

今月はファミリークラス(配偶者、コモンローパートナー)の国内申請カテゴリーについて最近発表された新しい方針についてご説明します。

エコノミッククラス(個人移民)の申請については、今年1月Express Entryが始まり申請から6カ月以内にプロセスを完了すると謳われる一方で、ファミリークラスはこのシステムには組み込まれておらず、申請方法自体も何ら変更はない。しかしながら、CICより昨年12月22日付で国内申請カテゴリー(Spouse or Common-law Partner in Canada Class)からの申請者に対して申請から4カ月以内にオープンワークパーミットを発行するとの発表があったため、これを国内申請のメリットとして受けとめている人もいるようだ。しかしながら、本当にそうなのかを検証してみたい。

昨年夏以降、国内申請の審査期間の長期化についてマスコミを巻き込んでのCICに対する激しい非難が繰り広げられた結果、従来申請後の第一ステップ終了(現在プロセス期間17カ月)まで待たなくてはならなかったワークパーミットが早期に取得できるようになった。(但し、パイロットプロジェクトなので1年後見直す予定)CICとしてはこれによってとりあえずこのカテゴリーの申請者からの非難を抑えこむことができたので、今後審査期間の短縮に向けてオフィサーの数を増やすなど本格的対応をとるかどうかは甚だ疑問である。結果的に国外申請とのプロセスタイムの差は広がったままとなる可能性が高い。

また、ワークパーミットが取得できるようになったといっても、州によってはすぐにヘルスカードを取得できるわけではない。例えばオンタリオ州政府のウェブサイトによると、現在のOHIP(オンタリオ州のヘルスカード)発行のルールでは雇用主の名前の入っていないオープンワークパーミットの場合、半年以上のフルタイムのジョブオファーが必要とされている。また、他の申請者と同様にOHIPの申請資格を満たしてからの3カ月の待機期間も適用される。

さらに、ワークパーミットが取得できたとしても、永住権のプロセス期間が長期化したままである限り不都合なことにはかわりない。国内申請カテゴリーからの申請要件の一つとして“スポンサーとカナダで同居していること”が要求されているため、申請中に仕事で自分だけ他州に移ったり、その他の理由で長期別居したりしてしまうと申請資格自体が満たされなくなる。

このほかに、国外申請の場合は申請却下をされた時、Immigration Appeal Division(IAD)に異議申し立て(アピール)をすることができるが、国内申請をした場合はその権利がない。従来から国内申請のデメリットとして 挙げられていることだが、申請却下をされた際は再申請しか道が残されていないという点も考慮する必要があるだろう。国内申請に傾きかけている方は、以上の 点を考慮に入れて慎重に選択してほしい。