プロセスタイムについて

今回はカナダのビザ・移民申請に関わる大きな問題の一つであるプロセスタイムについての一考察です。

移民申請においてコントロールできないファクターは多々あるが、中でもプロセスタイムの変動は予想がつかないものの一つである。数年前、在外ビザオフィスのストライキが長引き、マニラのカナダ大使館では通常半年から9カ月で終了するはずのファミリークラス(配偶者、パートナー)の審査が1年以上かかったことがあった。また、最近では、ここ数カ月の間140日以上あったワークパーミットの延長申請のプロセス期間が突然短縮され、3月20日現在90日となっている。長いインプライドステータス期間の恩恵を期待していた申請者にとっては、逆にありがたくない話である。このように、プロセスタイムを予想することは非常に難しいが、予想できる手掛かりが全くないわけではない。

カナダ政府は毎年申請クラスごとに年間の永住権発行数を予め計画し、申請者がどんなに増えてもその割り当て数以上に永住権を発行することはない。したがって、自分が申請するカテゴリーの年間受け入れ数の変化には注意を払いたい。現政権が2016年のファミリークラス(配偶者、パートナー)の永住権発行数を増やすことを計画しているのは、このクラスのプロセスタイム短縮への強い意思の表れと読める。逆に、ケアギバークラスは現在プロセスに4年もかかっているが、永住権発行予定数が減ったことから今年中に改善を期待するのは難しいかもしれない。一方、Express Entryなど受付数そのものがコントロールされているクラスでは、永住権発行件数によってプロセスタイムがそれほど大きく変動することはないだろう。

また、カナダ政府はプロセスタイム短縮のために申請方法や申請要件を変更することがある。この場合、変更が行われた後しばらくの間は、変更前の申請者と変更後の申請者の審査が並行して行われるため、結果として変更前の申請者が割を食うことになる。最近ではExpress Entry開始前には1年程度と言われていたカナダ経験クラスのプロセス期間が、Express Entryが始まって以降、新システムでの申請者は半年以内に審査が終わるのに対し、旧システムでの申請者は18カ月もかかるといった状況が生じている。旧システムでの申請をキャンセルして新しいシステムで申請し直した方が早かったかもしれないという例である。さらに、申請要件が厳しくなれば一般的に申請者は減り、易しくなれば申請者が増えるので、申請者数がプロセスタイムに直接影響することも考えられる。

このように、プロセスタイムをめぐる問題は複雑であるが、状況を見て自分なりに仮説をたてること、申請後は絶えず最新プロセスタイムを確認し、それによってプランを柔軟に変更することが賢明と言えそうだ。