Bashar is just like Hafez… -おそらく、歴史は何度も繰り返す

 
Bashar al-Assad大統領が率いるシリア軍がHomsを砲撃、破壊した。30年前にHafez al-Assadが同様のやり方でHamaを破壊した。Hamaの全域を砲撃するだけでなく、一般市民がまだ家の中にいるのを知りながら、ダイナマイトで爆破した。

戦いに勝つだけでは不十分、相手が二度と自分に立ち向かってくることを考えないような残酷な手口で敵を叩き潰す。Hafez al –Assadは当時、彼に歯向かう者はこうなると思い知らせるために、廃墟化したHamaの焼け跡を車で通ってみるように人々に強く促したという。人間はどんな理由があってもここまで残酷になれるものなのか。

それから30年後、世代が変われば、その残酷さも忘れられる。中東に住む15歳から29歳の若者は1990年の6700万人から、現在その数は1億人にまで増加している。今回の暴動は1つの街の話ではない。シリア全土で政府から約束された仕事、結婚の機会、住居がまったく形になっていないことに対する不満が爆発した。ところが、それをBashar al-Assad大統領はHafez al-Assadと同じやり方で若者たちを制圧しようした。これがきっかけとなって、この暴動は民主化問題からさらに宗派抗争にまで発展してしまった。

シリアでは、少数派で政府、軍隊、国の治安部隊をコントロールしているアラウィ派が全体の12%、スンニ派(シリアのアラブ人)が75%、キリスト教徒が10%、そして、後の残りをドルーズ派やクルド族などで占めている。

Assadと、スンニ派が主導を握る反体制派の抗争で、現政権から恩恵を被っているアラウィ派の7割とスンニ派の一部がAssadの見方についた。これは別に彼らがAssadの独裁政権を支援したいというわけではない。政情が極めて混とんとして中で、最近のエジプトでの暴動を目のあたりにしながら、自国の内乱だけは避けたいという思いから、やむなくAssadサイドについているいというのが実情のようだ。実際には誰もが、もっと民主的な新政権を望んでいる。

まずは国連、ヨーロッパ連合、アラブ、イスラム教の国々が何とか中国、ロシア、イランを見方に引き入れる必要がある。彼らはアメリカからの批判に目を向けたりはしないが、世界からの批判には、耳を貸すはずだ。そして、スンニ派主導の反体制派が、一丸となって、Assadの見方についているアラウィ派とスンニ派に対して、Assad政権から新政権に移行しても彼らの利益が保護されることを保証することで宗派の統一を図ることは可能なはずだ。

こんなシリアの状況を見ながら、またある思いが心をよぎる。世の中の人が助けあうということには決して反対するつもりはない。でも、例えば、全く他人である隣の家の家族が喧嘩しているところに入り込んで、喧嘩してはいけませんというのが、本当に取るべき選択なのだろうか。そんな権利が人間にはあるのだろうか。万人の常識に従えば、大人は自分で人間関係を管理調整することができて当然なのだ。それがもし国家レベルでできないのあれば、おそらく、誰がどんな形で介入しても変わらないような気がする。30年経ってただ単に歴史が繰り返しているだけに過ぎないのではないのか。

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