Immigration will help! -移民政策は雇用機会を増やしても減らしたりはしない!

 
うちの会社と同じフロアーにFamily Supportというトロント市が運営するグループが入っている。市役所の出張所みたいなものなのだろうが、フロアーの半分以上を占拠している。正直一体どんなサポートを提供しているのかもよく知らない。時々赤ん坊が泣いている声が聞こえるのでFamily Supportなんだなあと思う。月-木は4:30PMごろに、金曜日は1:30PMぐらいに、一斉に帰る声が聞こえてくる。ある日、ある女性が大声で、”4:30 comes so fast!” と言っているのを聞いて思わず笑ってしまったことがある。どう考えてもそんなに仕事をしているとは思えない。

テレビで市の公務員のレイオフの話をきくと、いつもなぜかあのフロアーの人たちのことを思い出す。そして、どうしてあそこがその対象にならないのかと思う。最近、現市長のRob Fordが肥満を気にして体重を減らすことを公言したニュースを聞きながら、うちのフロアーの人たちにもぜひ参加して欲しいと思った。現状、女性が2、3人で立ち話をされると廊下の先が見えなくなってしまう。(というのはちょっと言いすぎか・・)

一体何がどうなってカナダの公務員がこんなにのんきに、いいかげんに、怠け者状態で仕事をしていながら、毎年1度に3週間から4週間の休暇を取って旅行ができるのか。こんな世界がどうしてここでは許されて、あんなに一生懸命かつ長時間働く日本では許されないのだろうか。

なぜだろう? こんな疑問を持つのは自分だけではないはずだ。

カナダの移民政策は、移民を希望する人たちの中から資格がある人を自分たちの勝手な尺度で選んで、永住権を与えるということだけで、年間25ビリオンドル(日本円で約21兆円)の売り上げをあげている。この数字からだけでも、政府、民間の間にかなりの雇用機会が創出されているのが想像できる。こんなうまい商売が他にあるのか。

公務員試験などというものが全くなく、実情ほとんどがコネで採用が決まっていて、かつ、市民権をもった人材を優先的に雇うという政府のシステムが、信じられない不公平を生み出しているのにもかかわらず誰も問題にしたりはしない。どうしてこんなことが可能なのか。

言ってみれば、移民希望者から桁外れに法外な入場料をとるだけでなく、移民後も法外な税金を課して、奴隷のように働かせる。これで政府に勤める人たちの安定した生活が確保されるのだ。発展途上国からの移民にとって、それでも自国にそのまま残ってカナダに移民しなければ実現できない夢がここでは実現できる。だから、まるで皆が幸せのような気がする。

結局、人の幸福というのは、他人の不幸を犠牲にしてしか成り立たない。ただし、不幸な人が不幸なことに気がつかなければ、誰も文句は言わないのだ。それがこんないい加減が許される国がまるで幸せに見えている理由の一つのような気がする。

出生率が低下し高齢化が進む中、将来的に産業を支える柱となる労働人口不足が懸念されている日本にとって移民政策は必要不可欠と言える。

日本には、地方に行けば土地は十分余っている。それを使ってできることの一つが移民政策のような気がしてならない。そのスペースを移民政策でどう利用していくかはカナダから学ぶべきことが結構あるはずだ。こんないい加減な国ができることを、あれだけ勤勉で優秀な民族である日本人ができないはずがない。

いずれにしても、移民政策に力を入れることで、日本人の仕事が外国人に取られてしまうというのは全くの誤解だ。それどころか、これは間違いなく将来的に大きな見返りが期待できる投資であり、今の日本の経済危機からの脱出を助ける数少ない手段の1つだと感じているのは自分だけなのか。

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