NY Bus Monitor Karen Klein – 言語虐待を受けた老婆の慰謝料とは?

 
今週New York州のMonroe CountyにあるGreeceという町でスクールバスの誘導係を務めるKaren Klein(68歳)が、バスの中で13歳の中学生4人から言語虐待を受けるというニュースを耳にした。そして、その様子を撮影した約10分間のビデオがYouTubeやFacebookにアップロードされ、180万回にも及ぶアクセスがあったと報道された。

その視聴者の一人、自らいじめを経験しているというカナダのトロントに住むMax SidorovがKaren Kleinに休暇をとって心の傷を癒してほしいとIndieGoGo.comを使って募金活動を開始したという。現時点で既に募金額が60万ドル(約5000万円)を超え、Max Sidorovさんはこのお金で彼女もリタイヤしてほしいというコメントしている。

一方で学校側は、いじめに関与した生徒4人を厳しく処罰すると発表している。

さらに今回言語虐待に加わった生徒たちは、未成年者であるにもかかわらず、氏名や連絡先の情報がインターネット上に公開されてしまっているという。ビデオを視聴した人達からの批判の声はなりやまず、加害者である生徒の1人には700件にも及ぶ脅迫電話があったと報道された。

そして、まもなく、いじめに関与した生徒の親が謝罪、いじめに関与した子供達自身が謝罪、いじめを受けたKaren Kleinさんはこの子供たちを起訴つもりはないという。そして、募金はさらに増え続け、ところがなぜか、Torontoに住んでいると報告されているMax Sidorovさんからはその後コメントはもらえないという。

美談と言えば、そうなんだと話が終わってしまいそうな気がする。いや終わってほしいとも思う。

ただこの美談を聞いて、思い出さずにはいられない事件は少なくない。

Tania Headという女性。 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件で、最愛の婚約者を失い、崩壊した世界貿易センターの南タワーから奇跡的に救助された19人の生存者の一人として報道された話。あの事件の後、彼女は世界貿易センターネットワークの自助グループのプレジデントを務めるほど、周りの政治家、メディア、他の生存者、あの事件で家族を失った人たち全員が彼女の作り話を信じていた。そして、事件から7年後、事件当時彼女はスペインのビジネススクールで講義を受けていたという事実が暴露された。この事件に関する限り、Tania Headは特に法的に罰せられるべき行為はしていないという。

つい最近では、2年前、頭を剃って白血病を装い、結婚指、2千ドル相当の花などの寄付を集めMichael O’Connellと盛大な結婚式を挙げて結ばれたJessica Vega(当時25歳)の話。結婚して2年後、このカップルは離婚した。Jessica Vegaの白血病が治癒したのではなく、もともと白血病ではなかったことが判明した。約2か月前に彼女は重窃盗と詐欺の罪で起訴された。夫のMichael O’Connellは妻の白血病を疑うことはなかったという。

そして疑問が次々生まれてくる。

肥満で充満している北米で肥満の老人が珍しいだろうか。そんなことに子供が気を留めるだろうか。

インタビューの中でKaren Kleinはバスの誘導係として20年も働いているがこんなことは一度も経験しことがないとはっきり言っていた。20年間1度もなかったことがこんなにタイミングよく起こってビデオに撮られて募金が始まった。

このビデオを撮ったのはこのいじめグループのメンバーのはずだ。なぜなら他の子供達は怖くてKarenを助けることさえできなかったのだから、どうしてあのアングルでビデオを撮ることができるのか。勿論、このメンバーがあらかじめビデオを撮るように指示したのならば別だが。

まして、いくら13歳と言っても、本当にあの子供達は、彼ら自身が加害者である言語虐待シーンをビデオに撮られてYou Tubeにアップロードされることによる後禍を認識していなかったのか。

大体、言語虐待を受けている老人に必要なのは、募金を募って休暇をプレゼントすることなのか。

なぜIndieGoGo.com使っての募金の話がこんなに即座に出てきたのか。

トロントに住んでいると報道されているこのMax Sidorovという人は一体どんな人物なのか。

IndieGoGo.comのサイトは本当に機能しているのか?

疑問に包まれたまま美談が美談のまま数日で忘れられてしまう。

まるで何もなかったように老婆に対する言語虐待事件が、こんなに綺麗に、こんなにスムーズに、こんなに美談に締めくくられてしまう。

一瞬、Tania Headの話もJessica Vegaの話も最初はまさしくこの美談だったの思い出す。

今も増え続けるIndieGoGo.com募金の行方を語る人もいない。

インターネットメディアサイトのトップには、もうKaren Kleinの記事はどこにも見当たらない。

信じられない詐欺行為が横行するインターネット時代にあって、美談と聞いて、条件反射的に何か底知れない恐ろしさを感じる人も少なくないはずだ。

まさかとは思いつつ、これがもし'プロの詐欺グループによる仕組まれた完全犯罪だったとしたら'と思うのは自分だけなのか。

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