Virus、Bacteria and Antibiotics? – ウィルスに効く薬はない

 
とにかく、健康、何より、健康、これは不変の真実だ。たとえ、受験に失敗しても、会社を首になっても、国の借金が膨らんでも、健康であれば、またやり直すことができる。

そして、健康を取り戻すために人々はしばしば薬に頼ろうとする。

薬と言うと面白い話を思い出す。実は面白いだけではなく、結構恥ずかしい思いをした。今はどうなのか分からないが、子供の頃風邪で喉をやられて熱がでても、病院に行って注射を1本打ってもらうと、帰り道にはすぐによくなっていた。時には再度熱が上がって2回注射を打ってもらったこともあるが。2度目の注射を打ってもらうとまるで最初から風邪なんかひいていなかったように瞬時に完治した。つまり、風邪は注射で解決されると信じていた。

そして、カナダに来てまだ間もない頃、ひどい風邪をひいて、喉をやられて、高熱が出たことがあった。注射を打ってもらおうと思って医者に行っていきなりちょっとした口論になった。

なぜなら、注射どころか薬も何もくれなかった。最初にテストをしてこの風邪がバクテリアによるものか、あるいはウィルスによるものかを検査するという。もし、バクテリアが引き起こしている場合は、抗生物質を処方してくれるが、ウィルスによる場合は、俗にいうインフルエンザになり、この世の中にはウィルスに効く薬はないので、体にウィルスに対する抗体ができるまで我慢して待つしかないと言われた。全く信じられなかった。あの時はカナダの医者は無能と内心勝手に思っていた。

日本にいた時に打ってもらっていたすぐに良くなる注射の話をすると、そんなものはこの世の中に存在しないと言われた。それじゃ、今まで子供の頃から風邪で熱が出るたびに打ってもらっていたあの注射は何だったのだろうと思った。

それだけじゃない。抗生物質がバクテリアにしか効かなくて、ウィルスに効く薬がないとしたら、薬局に売っている薬は一体何をしてくれるのかと真剣に尋ねた。

風邪の症状の緩和をするだけであって、体にウィルスの抗体ができるまでの時間を短くしてくれるわけでもないと言われた。飲んでも風邪を治さないのなら薬なんて飲むべきじゃないと言うと、お医者さんが黙ってうなずいた。あの何か言い返してくる期待に反して、無言で笑顔でうなずかれた瞬間を今でも忘れない。つまり、本当に辛い症状でなければ、できる限りケミカルを体内に入れないほうがいいというのが北米の医学の原則。

実際、北米では誰もが口をそろえて、フルー(インフルエンザ)にかかった時は、ウィルスを人に移さないように、家に居てたくさんオレンジジュース飲んで、チキンヌードルスープを食べて、たくさん汗をかいて、体が直ろうとしてウィルスを体外に出すのを助けてあげなくてはいけないと言う。

カナダに来て確かに薬を飲まなくなった。そしてもうこの10年ぐらいの間ほとんど風邪もひかなくなった。勿論、東京では悩まされた花粉症もトロントでは花粉の種類が違うせいか何も起こらない。これからもずっと薬に頼らない生活が続くように、Touch wood !

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