Innocence of Muslims -宗教劇がカモフラージュする復讐劇

 
あのアメリカ同時多発テロ事件からちょうど11年後にあたる9月11日(火)、リビア東部ベンガジの米領事館が襲撃され、駐リビア大使と領事館職員3人の計4人が殺害されたというニュースが報道された。

TV5 のアップデートが妙な時間にiPhoneアラームを鳴らしたと思った11日の早朝、このヘッドラインにベッドから飛び起きて、いつもより濃いめのコーヒーを飲みながらネットで事件の詳細を検索する。なかなか真相が見えなくていらつく・・・

リビアに駐在していたアメリカ大使と職員3人が殺された? 何故? 治安が不安定とされる国に駐在する外交官のセキュリティーはかなりしっかりしているはずなのに、それを一体どうやって?

同時多発テロ事件にかかわったアルカイダの仕業なのか?

それとも3日前に始まったエジプトでの抗議デモと同様の理由なのか?

メディアはエジプトでの抗議デモと同様に、米国で製作されたイスラム教の預言者Mohammedを侮辱する映画が引き金となってこの事件が起こった可能性が高いと報道した。一体どんな内容のビデオなのか見ずにはいられなかった。

そして、たった13分間で、しかも映画とは言い難いこのビデオクリップを見て愕然とした。

これがリビアに駐在していたアメリカ大使と3人の国家職員を殺したのか。そんなばかな。犠牲者の家族が悲しみに暮れる姿が目に浮かんだ。

偶像崇拝を禁じるイスラム教では、預言者Mohammedを映像化するような行為さえ禁じられている。確かにどんな理由があっても、価値観の異なる宗教を冒涜するような行為は許されてはいけない。でもだからと言って冒涜に対する答えが殺人なのか。まして、この映画を製作した相手に矛先を向けず、すぐ傍にいるアメリカ人に八つ当たりする行為をどうやって正当化できるというのか。

そして15日(土)、カリフォルニアに住むNakoula Basseley Nakoulaがこの映画を製作した容疑で警察の取り調べを受けたと報道された。Nakoulaはその容疑をきっぱり否認しているという。しかしながら、もし彼が容疑を認めたとしても、言論の自由が尊重されているアメリカではこの種の映画を製作すること自体が違法行為にはあたらない。蛇足だが、Nakoulaは過去に犯罪歴がある。1997年にmethamphetamineを製造しようとした罪で1年間、2010年に銀行詐欺で21カ月刑務所に入っていた。また、2010年9月にイスラム教の聖典コーランを焼却すると宣言した米フロリダ州のテリー・ジョーンズ牧師がこの映画の宣伝に加担していたと報道されている。推定額約$5ミリオンというこの映画の製作費用は一体どこからやってきたのか。

それにしても納得がいかない情報が羅列される。メディアの情報によれば、リビアの米領事館から大使を車で安全な場所に護送しようとしている途中にロケット弾が車に打ちこまれて殺されたというのだ。

イスラム教に対する冒涜がアメリカ大使館の周りに数千人の抗議デモを引き起こすというのは理解できる。

でもロケット弾でアメリカ大使を殺害するまでに至るのか??? あの馬鹿げたビデオを見てロケット弾が一体どうして出てくるのか?

やっぱり、この話にはもっと何か別の思惑が隠れているとしか考えられない。

そして3日後、14日(金)この抗議デモは中東にある20カ国に飛び火し、アメリカ大使館だけではなく、ドイツやイギリスの外交官もターゲットにされ始めているという。状況はさらに悪化し続ける。怒りは北アフリカから南アジアそしてインドネシア、オーストラリアにまで広がっていると報道された。アメリカ側はアメリカ大使館を保護するためにイエメンとスーダンに海軍を送りこんだとうニュースまで流れた。

そしてまた16日Libyan National Congressの議長であるMohammed al-Megariefはアメリカ領事館襲撃事件の容疑者としてこれまで50人を逮捕したと発表。また米国国連大使Susan Riceによるこの事件に関する見解を打ち消す形で、容疑者の中にはMaliやAlgeria出身の外国人が含まれていたとして、今回の駐米大使と3人の領事館職員の殺害事件はイスラム教の預言者Mohammedを侮辱する映画が引き金になったものではなく計画的犯行だったという見解を発表するとともに、アルカイダとの繋がりも示唆した。

アメリカも、リビアも、メディアも尤もらしいぼんやりとした真相しか伝えない。

イスラム教冒涜映画製作者と思われる身元不明のNakoulaは明らかにアメリカに居る限り罰せられないことを知りながら、ビデオファイルをYou Tubeを使って配信したといしか思えない。

そしてそのビデオをネット上にアップロードすることで中東の人々を操作できると確信していたに違いない。

Nakoulaがアルカイダと繋がっている可能性はなかったのか?

エジプトで始まった抗議デモは3日後にリビアで駐米大使含む4人を殺害した後、中東の20カ国に飛び火した。もし今回の事件がリビア側の言うように計画された犯行だとしてなぜリビアの米領事館が狙われたのか。

いくらリビア政府が協力的とは言え、一国の大使が殺されて、戦争が起こってもおかしくないような状況にもかかわらず、アメリカ側の対応が妙に大人しいのも不思議な気がする。

製作者を治外法権地域において、しっかり安全を約束しておいて、あのビデオファイルを使って中東の人々を操って、抗議デモをカモフラージュに、どさくさまぎれにChristopher Stevensを殺害したのか。

もしかして、メディアの手には負えない大きな黒幕が存在するのか。

つまり、宗教劇をカモフラージュに復讐劇、もしかしたら復讐劇に見せかけた殺人?

でももし、Christopher Stevensの死の裏側で、アメリカも、リビアも、Nakoulaも、アルカイダも全てが繋がっていたとしたら、勿論、メディアも本当のことは教えてくれないかもしれない。

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