What is wrong with this picture? -本当にデモを起こすべきなのは一体誰なのか?


日本とは異なり、資格試験のほとんどが難しいとは思えないカナダ。実際に仕事の業務を遂行するにはそれほど物事を暗記していなくても、その都度調べて正確な情報に基づいた判断ができればいいという、より実践的アプローチがとられている北米のシステム。日本では到底考えられないオープンブックが資格試験に許されるのもまさにその違いを感じさせられる。

しかしながら、このシステムが生み出す有資格に勘違いするそれほど優秀とは思えない人材が、いや、おそらく相当手に負えないレベルの人達が様々な業界でサービスを提供しているのは否めない。

プライベートセクターでは、基本的に利益が出なければビジネスが維持できないという原理がいやおうなく働く手前、無能な人達は自然淘汰されていく。

ところが、この自然淘汰がなかなか起こりにくくなってしまっているのが、こんなプレッシャーもなくのんきに暮らしているカナダの公務員、国民の税金を給料としてもらっている人達。国がつぶれない限りほぼ安定した人生が約束される職業。カナダでは日本のように公務員試験があるわけでもなく、ほとんどコネで公務員が採用されていて誰も文句を言わない。文句を言っているのは何故かいつも優雅な人生をのほほんと送っている公務員の人達自身。

そして最近オンタリオ州政府が先生の給料を2年間フリーズして、有給休暇とは別に有給で病欠できる日数、年間20日間を10日間に減らし、彼らのストを起こす権利を制限するBill 115を法制化したというのだ。

これに対して先生方が激怒。Queen’s Parkでデモ行進、ストをおこして子供達は混乱状態。
1月11日 (金) に予定されていたオンタリオ州の小学校のストが早朝の6時ぐらいにキャンセルされたというニュースを耳にした。勿論、これではスクールバスも動かず、半数近くの生徒が欠席。

一体どっちの行動が正当化されるべきなのだろうか?

オンタリオ州のプライベートセクターの平均年収は現在約47,000ドル(420万円)。この4年ぐらいの間にたった2.5%ぐらいしか上がっていないという。

オンタリオ州の先生方の給与は7年勤務している人の平均年収が約72,000ドル(640万円)を下らないという。そして、オンタリオ州の過半数の先生の年収は約95,000ドル(850万円)。ちなみにBC州は81,000ドルで、ケベック州は72,000ドル。勿論、これは失業保険、カナダペンションや退職してから裕福に暮らすための先生ためのペンションと言うのがあって、これをすべて含めるとオンタリオ州では先生一人当たりに年間約110,000ドルが税金で賄われているということになる。そしてなんと先生方はお休みもたくさんあって、合計で学校に行くのがなんと年間195日という話を聞かされた。

ええ?

2年間のフリーズと有給で病欠できる日数が20日間から10日間に減らされたことに本当に激怒すべきなのは一体誰なのか。

For God’s sake, just shut up and work!と内心叫んでいるのは自分だけではないはずだ。

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