CIC(Citizenship and Immigration Canada)が2日前にカナダ経験クラスの申請資格を有するスキルレベルBの職種から以下の6つを除外することを発表した。
- Cooks (NOC 6322)
- Food service supervisors (NOC 6311)
- Administrative officers (NOC 1221)
- Administrative assistants (NOC 1241)
- Accounting technicians and bookkeepers (NOC 1311)
- Retail sales supervisors (NOC 6211)
“How dare you!” 怒りと困惑の声がそこらじゅうから聞こえる気がした。
金曜日の発表で、クライアントごとの救済オプション検討に週末が消えて行った。
今年1月にカナダ経験クラスで申請に必要なカナダでの職歴が2年から1年に短縮されたが、5月には連邦スキルワーカーから申請できる職種が更に限定され、申請要件に含まれている言語能力のバーが引き上げられた。
その結果、カナダ永住権申請者の多くがカナダ経験クラスの列に流れ始めた。
今回の発表には、この相次ぐ申請要件変更の過程で、カナダ永住権をなんとしても手に入れようとする人々がCICのルール変更にどれだけ敏感、迅速に反応していたかをあらためて痛感させられた。
現行のカナダ移民政策は、明らかに英語またはフランス語でコミュニケーションが取れない移民者を排除しようとしている。
おそらく、ここ数年の間に、英語を話さない中国からの移民が急増したことに対するバッシングともとれるこのカナダ移民政策。
このカナダ移民政策の意図があまり露骨にならないように学歴、言語能力に関して比較的寛容に一定のパスを残したカナダ経験クラスに申請者が流れたことは周知の事実。
と言っても誰もが、あと6ヶ月くらいは猶予があるはずと希望的観測をしていたのも同様の事実だったはずだ。
状況は想像していた以上に厳しくなっている。
人生の明暗を分けてしまうかもしれない瞬間はこんな風に突然やってくるのか。
中国経済の急成長、そしてヨーロッパの経済危機、アメリカの不安定な経済状況、要因は挙げたらきりがないほど、民族大移動の流れは、当初のカナダ移民省の予想を遥かに超えた勢いで移民大国カナダに迫ってきている。
今回連邦政府が発した突然のカナダ経験クラスのルール変更は、今後カナダ移民を目指す人々にとっては大きな警告になったはずだ。
しかしながら、たとえカナダ移民法がいつ変わるか分からないとは言っても、どう変わって行くかを予測するのは決して難しくはないような気がする。
必要な人材を募集して、十分集まったら、募集を停止する。そして、また足りなくなったら募集を再開する。こんな単純な原則が背景にあって、そのなかで、学歴、職歴、言語能力があまり問われないパスがあれば、そこに人だかりができるのは時間の問題。
近い将来、スキルレベルBの職種でカナダ永住権申請を検討している方、とりわけ、ヘアードレッサー、スーパーバイザー系の方には、残念ながら、“リスクヘッジ“、“石橋を叩いて渡る。”なんて言うコンセプトが通用する時代ではないことを再認識してほしい。
自分には能力があっていつでも移民できるなんて思っていたら、振り返ったらもう橋はなくなっているかもしれない時代。
時はまさに、“橋はあるうちにとにかく渡れ。゛ それからどうするかなんて考えても、誰にもその答えは分からない。
これはもうカナダ移民にだけにあてはまるとは言えないような気がする。
人生の分岐点においては、誰もが否応なく選択を迫られる瞬間を通り抜ける。
チャンス到来にアクションを起こせず、しゃがみ込んでしまった自分を悔いた瞬間を一生引きずってしまう人も少なくないはずだ。
これだけ将来が地球レベルで不透明な中で、詳細なライフプランを立てること自体あまり意味を成さなくなっているような気がしてならない。
それよりも、何よりも、思い立ったが吉日、とにかくアクションを起こして、失敗したらすぐに方向転換できるマインドを持つ人が生き残るフェーズに入っている。
自分がやりたいことなんて偶然置かれた状況によって一瞬にして変わってしまう。
石の上にも3年なんていまだにつぶやく人がいたら、iPodでお気に入りの曲を聴きながら、無視して通り過ぎればいい。
時代はまさに急いだ者勝ちの人生原理を強く示唆し始めている。