Digital Information losing its value - もう誰も止められない

 
きっと本がなくなる。紙に書かれた情報は価値を失う。18年前に初めてインターネットを使った時にすぐにそう感じた。そうだ、まだあれから20年も経っていないんだ。インターネットのスピードが速まるにつれて、やがて、紙に書かれた情報だけでなく、電話、テレビ、ラジオ全てのメディアがインターネットに置き換えられてしまう。サービスを提供する人とサービスを享受する人の間に立つ人たちは、その享受のプロセスに専門的な知識が必要でない限り、同様にやがてはインターネットに置き換えられる。インターネットを通じてアクセスできる情報は基本的に既に価値を失っている。所有権をクレームすることが従来の法律に照らして正当なことだとしても、現実には保護できない状況になっている。それがなぜなのかをしっかり受け止める必要がある。情報を売買して利益が出る時代は終焉を迎えつつある。

現在仕事を探している人は、まずは職種の将来のあるなしはこれで少しは見当がつくはずだ。未だに空港で働きたいなどと言っている人は、キャリアプランについて根本的に考え直したほうがいい。

これにつながる話が、デジタル情報に対する著作権保護の問題。

例えば、中国にコンピューターのソフトを売ろうとしても、一本しか売れない。コピーして国中に配布する。違法行為、ひどいと思う反面、違法コピーユーザーを全員刑務所に送れるのか。

P2Pを通して子供たちがデジタル化可能なビデオ、オーディオデータ、ソフトウェアプログラムをすべて無料で共有する。これもまた違法行為、ひどいと思う反面、P2Pユーザー全員を罰することが可能なのか。

例えば、iPodに始まる、アップルが起こした技術革新によってソニーが勢いを失った。一時はウォークマンで世界を制覇した彼らの名前もすっかり聞かなくなった。でも世の中の人はこれは素直に受け入れている。技術革新による自然淘汰現象として片づけられている。

それじゃなぜインターネット上にアップロードされた情報に著作権を追求しようとするのか。インターネットという技術革新によって、著作権という今まで価値を認められていた概念に価値がなくなってしまったことをなぜ素直に受け入れることができないのか。

デジタル化されて、インターネット上に1度でもアップロードされた情報に、著作権の保護をクレームするのは道理にかなったことではあっても、その努力は所詮、セキュリティーを追求する人とハッカーのイタチごっこに終わってしまう。

著作権やプライバシーの保護に反対するつもりはない。ただ、もう存在継続が不可能で、価値を失ったものを自分の利益を守るために、無理に存続させよういうのも無意味な話だ。インターネットによるデジタル情報の価値の喪失を否定し続ける人たちはすでにこれからの時代に乗り遅れてしまっていると言えるのではないか。そう思わずにはいられない。

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