タグ別アーカイブ: カナダ永住権

Dependent Childの定義が改正

エコノミッククラスからの移民申請の際に同伴できる子供、ファミリークラスから呼び寄せることのできる子供の年齢制限が、19歳未満から22歳未満に引き上げられることになりました。2017年10月24日よりこの法改正が施行されます。また肉体的、精神的な理由で経済的自立が困難な22歳以上の子供も、引き続き移民資格のある扶養家族とみなされます。

尚、2014年8月1日から2017年10月23日までに提出された申請書については現行の19歳未満の制限が適用されますが、現在まだ審査中で22歳未満の子供が申請書にリストされている場合は、IRCCへHumanitarian and Compassionate を根拠に適用をリクエストすることができます。

カナダイミグレーションに差別はないのか

今月は成功例として取り上げられることの多いカナダ移民政策のあまり知られていない一面についてとりあげます。

イスラム教徒の入国やシリア難民受け入れを制限しようとする米国新政権の姿勢とは対照的に、カナダの移民・難民の受け入れに寛大な国としてのイメージはますます強くなっている。しかしながら、カナダは露骨には出さないものの移民・難民を出身国や宗教によって巧みに操作・選別する一面も持っている。昨今カナダの移民政策を称賛する声が多い中、今回はカナダイミグレーションの差別的側面にスポットを当ててみたい。

カナダの強みは多様性にあり、ある一つのグループが極端に大きくなる前にそれを抑制しようとする力が働く。2000年代は中国からの移民が全盛期で、移民プログラムの各カテゴリーで移民者数トップの地位を独占した。そのため、連邦政府はスキルワーカー移民の語学力のバーを高くし、中国人が大半を占める連邦投資移民プログラムを廃止した。その結果、現在では中国からの移民者数はインド、フィリピンの後塵を拝している。また、ケベック州投資家プログラムは今でもあからさまに“中国出身者枠”を設け、その数をコントロールしている。

前ハーパー政権時代はシリア難民の受け入れが少なすぎるとしてカナダはUNからも非難されていたが、当時はシリアの少数派であるキリスト教徒だけを選別して受け入れていた。現政権になってからもセキューリティーリスクが低いと考えられる女性、子供、ファミリー、LGBTを優先し、独身男性は後回しにされた。

昨年行われた某スキルワーカーのオンライン申請は、受付開始と同時に申請者が殺到し即日クローズとなったが、政府サイトへアクセスすらできなかった者が多数にのぼった。政府はアクセス可能なIPアドレスをコントロール、つまり、フランス語圏からのアクセスを容易にしていたという噂がまことしやかに流れた。ところが、それを逆手にとってIPアドレスを操作するアプリケーションを使ってフランス語圏からアクセスしているように見せかけるやり方で無事申請できたという噂も耳にした。

日本は現在国内にビザオフィスがなく、地理的にも遠いフィリピンなどと同じグループにされてビザ申請手続きやプロセスタイムの点で不当に不利な立場に置かれていると感じることもあったが、結局カナダには“来てほしい”人を選別する権利があるという事実を受け入れざるをえない。称賛されるカナダ移民政策であるが、選別と差別が背中合わせの関係にある事実を認識し、政府にはこれを世界に誇大広告することがないよう願いたい。

Express Entry 開始一年後の総括

今回は先日カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)から発表されたExpress Entry開始1年後の総括と今後の改定の方向性について取り上げます。

2015年1月より導入されたExpress Entryの主要な目的は、1)申請書受付数のコントロール、2)労働市場、各州ニーズへの迅速な対応、3)プロセスタイムの短縮である。昨年1年間に発行された移民申請の招待(ITA)の数は、旧システムの未審査ファイル数を考慮して抑えられ、31000にとどまった。また。2015年の上半期にはLabour Market Impact Assessment(LMIA)を取得したカナダ経験クラスからの申請者を優先した選定(Draw)が行われ、飲食業界からの申請者に対して多数のITAが発行された。さらに、このシステムからの申請者の80%が6カ月以内に審査を終了していることからも、ある程度政府側の思惑通りの結果になったといえる。しかしながら、一方ではカナダ弁護士協会、高等教育機関、産業界からはExpress Entryについての様々な問題点が指摘されており、IRCC大臣は早急な対応を迫られている。

まず、オンライン申請システムに対する信頼性の回復は急務である。頻繁なシステムダウン、予告なしのメンテナンスによって申請のデッドラインを逸してしまったり、入力内容が消えてしまって再度作業をさせられるといったフラストレーションの声が上がっている。また、追加ドキュメントを送っても担当オフィサーに届かず、そのまま申請を却下されたという事例も報告されている。

次に、Express Entryによって不利な状況に置かれている2つのグループ、つまり、留学生とLMIAを免除された外国人就労者の救済も急がれる。留学生の場合、ITAを発行されるレベルのスコアを取得するためにはLMIAがほぼ必須だ。しかしながら留学生が卒業後すぐにその職種の平均賃金をオファーされ、リクルート活動によってカナダ人の中に適任者が存在しないことを証明することなど不可能に近い。また、NAFTAや企業駐在員(シニアエグゼクティブやスペシャリスト)などLMIAを免除された外国人就労者も、同様に永住権申請用にLMIAを取得しない限りITAを発行される可能性は今のところ低い。たとえ企業にとっては欠かせない人材で恒久雇用したい場合でも、あの煩わしいLMIAのプロセスに時間を使うことを考えると躊躇せざるを得ないだろう。

IRCCは留学生に対しては追加ポイント与えること、LMIAの適用については再検討するとしているが、対応が遅れると、有能でカナダ経済に寄与すると期待される人材を次々に祖国に帰してしまうことになるので、迅速な対応が望まれる。また、オンラインシステムの脆弱性については早急な対応が期待されるとともに、技術的な問題が発覚した場合は、タイムリーにFAQがアップデートされるように努力して欲しいものだ。

カナダ永住権維持のための居住日数

カナダ永住権維持のため気をつけたい居住日数

今月は永住権保有者のカナダ居住要件である“5年のうち2年(730日)”のカナダ居住日数の計算方法について取り上げます。

カナダ永住権取得後、永住権を維持するために5年のうち2年カナダに居住しなくてはならないという規定があるが、この5年とはどの期間のことを指すのか。また、カナダに実際には居住していなくても居住日数を計算できるのはどのような場合だろうか。

まず“5年”の定義であるが、カナダ永住権を取得してから5年以内の場合と、5年以上経過した場合ではオフィサーが注目する“5年”が異なることに注意しよう。前者の場合は、永住権保有者としての最初のカナダ入国(ランディング)の日以降の5年が問題になる。例えば、2011年9月1日にランディングし、その後1年間カナダに居住した後一旦日本に帰国、2015年8月25日にカナダに戻ってきたとする。このカナダ再入国の日から、ランディングから5年後にあたる2016年9月1日までは1年以上残っているので、カナダ入国の際にオフィサーから居住要件の審査を受けたとしても、永住権保有者としての入国を許可されると考えられる。

一方、永住権を取得してから5年以上を経過した場合はどうだろうか。例えば、PRカードを2010年4月1日に更新し、2年間カナダに居住した後、2012年4月1日に日本に一旦帰国。日本滞在中にPRカードが失効し、2015年9月1日にトラベルドキュメントを申請したとする。この場合、問題となる“5年”は、PRカード更新日からの5年間ではなく、トラベルドキュメント申請時から遡って5年前の2010年9月1日から2015年9月1日である。この間のカナダ居住期間は1年7カ月で2年に満たないため居住要件を満たしていないと判断されると考えられる。

最後にカナダに実際には居住していなくても居住しているとみなされる場合がある。1)カナダ人配偶者、コモンローパートナーに同伴してカナダ国外に居住していた期間、2)カナダ企業のフルタイム従業員としてカナダ国外に滞在していた期間、3)カナダ企業のフルタイムの従業員である永住権を保有する配偶者、コモンローパートナーに同伴してカナダ国外に滞在していた期間の3つのケースである。“カナダに不動産を有しパーマネントの住所を保持していた”などは、居住要件を満たしていることにならないので注意が必要だ。

政府申請費用はいくらか。

政府申請費用は下記Processing FeeとRight of Permanent Residence Feeの合計となります。

PROCESSING FEE(申請の際に支払います。リファンドされません)

スキルワーカークラス、スキルトレードクラス、CEC、PNP、住込みナニークラス

申請者:550カナダドル
同伴者:550カナダドル
同伴者(22歳未満で、配偶者かコモンローパートナーのいない子供): 150カナダドル

ファミリークラス

スポンサー:75カナダドル
申請者:475カナダドル
申請者(22歳未満で、配偶者かコモンローパートナーのいない子供):75カナダドル
同伴者:550カナダドル
同伴者(22歳未満で、配偶者かコモンローパートナーのいない子供):150ドル

ビジネスクラス

申請者:1050カナダドル
同伴者:550カナダドル
同伴者(22歳未満で、配偶者かコモンローパートナーのいない子供): 150カナダドル

RIGHT OF PERMANENT RESIDENCE FEES(永住権が取得できなかった場合はリファンドされます)
申請者:490カナダドル 同伴者:490カナダドル 同伴者(22歳未満で、配偶者かコモンローパートナーのいない子供): 0カナダドル

*ケベックスキルワーカー

カナダ連邦政府への申請費用に加えて、2013年1月1日よりケベック州政府に下記申請費用を支払います。

申請者:750カナダドル
同伴者:160カナダドル

永住権が認められた後はどのようなプロセスになるか。

永住権が認められると、Confirmation of Permanent Residence(COPR)が発行されます。このCOPRをカナダに入国する際ビザオフィサーに提示し有効であることが確認されると、カナダ永住権保有者として入国を認められます。後日カナダの永住権カード(PR Card)が発行されます。

 

 

ビザ申請書類はどこで審査されるのか。

申請者が国籍を持っている国または、1年以上合法的なステータスを持って居住している国を管轄する、特定のビザオフィスで審査されます。2012年5月より東京のカナダ大使館ビザセクション閉鎖に伴い、日本在住者の審査はマニラに変更になりました。

 

 

永住権を申請してから取得するまでどれくらいの期間がかかるか。

プロセスタイムは申請するクラス、審査されるビザオフィスの混み具合、ケースの複雑さ、申請書類の完璧さなどにより個人差が生じます。インタビューが免除されたり、追加書類が少なければ早くプロセスが終了します。また、カナダ移民省が毎年コミットする移民受け入れ数と各ビザオフィスへの割り当てによっても変動するので、期間を正確に申し上げるのは難しいのが現状です。カナダ移民省は、目安としてファミリークラス(配偶者・パートーナーの国外申請)で6-9か月、2008年2月28日以降に提出された連邦スキルワーカーの申請書については1年以内を目標にしています。

 

 

CICのサイトには移民申請は専門家を雇っても審査が早くなることはないと書かれているが...

CICのサイトに書かれていることは事実です。イミグレーションオフィサーにコネのある弁護士やコンサルタントを雇っても特別な便宜が図られることはありません。しかしながら、提出後に審査がスムーズに進む場合とそうでない場合とでは、結果として取得までの期間に大きな差が出てくることは否めません。つまり、書類不備で書類が返却されたり、追加資料を求められたり、インタビューに呼ばれたりといったケースです。残念ながら政府のイミグレーションガイド及びドキュメントリストは一般的なケースを想定した必要最低限のものとなっており、あらゆるケースを網羅できていないのが現状です。また、申請フォームにも解釈に迷うものや、誤解を生じやすい質問が見受けられます。

経験豊富な専門家を雇うことにより、過去の類似ケースでの経験を生かし、不備のない、オフィサーに疑問や誤解を生じさせることのないより完璧な申請書パッケージを作成することは可能です。また、ケースによっては所謂Submission letterにおいて法律上の根拠を予め提示することで、オフィサーの審査ミスを未然に防止することもできます。

更に、永住権を早く取得するためには、申請書提出から結果がでるまでの期間だけではなく、申請準備にかかる期間、万が一却下された場合の再申請や不服申し立てのために必要となるエクストラの期間(及びコスト)も考慮する必要があります。経験豊富な専門家に常に相談できる状態にしておくことで申請準備を効率的に進め、申請却下となる可能性を最小限に抑えることも結果として期間の短縮につながると言えます。

違法業者からサービスを受けるとどうなるのか?

カナダの弁護士協会やICCRCのメンバーでない違法業者のサポートを受けて申請した場合は、申請書は受理されず返送されることがあります。また、違法業者からサービスを受けていたにもかかわらず、それを申告しなかった場合も虚偽申請としてみなされ申請拒否もしくは入国拒否処分を受けることがあります。コンサルタントのサポートを受ける場合は、まずその“コンサルタント”と名乗る人物がICCRCの会員として登録されているかどうかをこちらで確認してください。また、違法業者の活動を見つけた場合はこちらからICCRCにレポートすることができます。

ICCRCとは何か?

Immigration Consultants of Canada Regulatory Council (ICCRC)は移民省大臣より指名を受けて新しく設立された移民コンサルタントの自主規制団体であり、弁護士協会(The Law Society of Upper Canadaなど)と同様に消費者保護をその主たる目的としています。また、ICCRCは会員を規制するだけでなく、カナダ移民省(CIC)やカナダ国境サービス局(CBSA)と協力して、国内外で“コンサルタント”を名乗る違法業者を取り締まる役割も担っています。移民法改正により違法業者に対する制裁が厳しくなり、起訴された場合は最高$100,000までの罰金または最長2年間の禁固またはその両方、略式起訴の場合は最高$20,000 までの罰金または最長6カ月の禁固またはその両方を課せられます。