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オンタリオ州移民指名プログラム(OINP)

今月はオンタリオ州移民指名プログラム(OINP)のアップデートです。

OINPは2007年にパイロットプロジェクトとして発足し、当初はNominee Certificate発行数も500人程度であったが、州政府がOINPを州の経済政策の柱の一つとして重視し始めた2015年頃から、発行数を増やすよう連邦政府に熱心な働きかけが行われた。その結果、発行数は昨年6000人に達し、今年2018年の発行予定数が6600人と発表されるなど、オンタリオ州はカナダ全土で最もCertificateの発行数の多い州となった。また、一方でOINPの法制化が進み、今年1月1日にOntario Immigration Act, 2015が施行となり、OINPの申請要件やプロセスの透明性、一貫性も法的に確保されたといえる。

州移民指名プログラムとは

カナダの憲法ではイミグレーションは連邦政府と州政府の共同管轄事項であると定められており、これに基づいて連邦政府と各州政府が協定を結び、目標や役割分担を明確化することになっている。州指名プログラムは経済移民カテゴリーの一つであるが、2018年は全体で55000人の枠があり、これを各州でシェアする形となっている。州政府は独自のプログラムを立ち上げ、申請要件を定め、移民者を選別することができる。州政府からCertificateを発行されると、連邦政府では主に犯罪歴チェックと健康診断が行われ永住権が発行される。

ジョブオファーが必要なプログラム

1月18日に受付が開始されたOINPの各プログラムの申請要件を見ていきたい。OINPは、基本的にジョブオファーが必要なプログラムと必要のないプログラムに分かれれる。ジョブオファーが必要なプログラムには、外国人就労者向け(Foreign worker Stream)と留学生向け(International Student Stream)があり、いずれもオンタリオ州の雇用主からカナダの職業分類(NOC)でスキルレベル0、A、Bのいずれかの職種でフルタイムのジョブオファーが必要である。また、外国人就労者は申請時から遡って5年間のうち2年以上の当該職種での職務経験を有すること、留学生はカナダの公立カレッジ、大学で2年以上のプログラム、または1年以上のpost-graduate certificate programを修了し卒業から2年以内に申請することが条件となっている。いずれも語学スコアは必要とされていない。新設されたIn-demand Skilled Streamでは建設・農業分野の特定の職種において高卒、CLB4以上の英語力、オンタリオ州での1年以上の就労経験があれば申請が可能となる。

尚、これらのプログラムを利用できるのは3年以上の営業実績を持つ一定規模以上の企業に限られる。つまり、GTA内の企業は年商100万ドル以上、パーマネントフルタイム従業員を5人以上雇用していること、GTA外は年商50万ドル以上、3人以上の雇用が条件となっている。

ジョブオファーが不要なプログラム

Express Entryの登録者を対象としたHuman Capital Priorities Stream(HCP)、French-Speaking Skilled Worker Stream(FSSW)、Skilled Trades Stream(STS)がある。HCPは連邦スキルワーカーまたはカナダ経験クラス(CEC)の基準を満たした上で、学士以上、語学力は全スキルCanadian Language Benchmark (CLB)7以上、Express Entryのスコアが400ポイント以上の人が対象となっている。FSSWはフランス語のCLB7と英語のCLB6が必要とされる以外の条件はHCPと同様である。STSは、CECの要件を満たした上でオンタリオ州からNotification of Interest(NOI)を取得した日から遡って2年以内に、オンタリオ州内で1年以上フルタイムで、NOCの Minor Group 633、 Major Group 72, 73, または 82のいずれかの職種における職務経験を有すること、語学力はCLBで5 以上が必要とされる。以上のプログラムでCertificateを取得するとExpress Entryのスコアで600ポイント取得でき、永住権申請のためのInvitationを得ることがほぼ確実となる。

以上のように選択肢は多いが連邦政府のプログラムと合わせるとかなり複雑な状況を呈しており、各自の置かれた状況に合わせて適格なプログラムを選ぶことが重要である。

オンタリオ州政府が薦める 州指名プログラム

今月はオンタリオ州の州指名プログラム(OINP)について解説します。

オンタリオ州政府はここ数年、州指名プログラム(PNP)の割り当て数を増やすよう連邦政府に働きかけ、2015 年にはBC 州、AB 州、SK 州と並ぶ年間5200人までCertificateを発行できるようになった。さらに現在、雇用主とリクルーターの登録、候補者の選考基準、査察や違反に対する罰則など広範なルールを規定した“オンタリオ移民法”の成立を急いでいる。今月は、州政府が州の経済成長の手段として近年重視し始めたOINP のプログラム概要(ビジネス移民を除く)を説明したい。

OINP は雇用主のジョブオファーが必要なプログラムと、必要のないプログラムに大きく二分される。ジョブオファーが必要なプログラムには外国人就労者向けと留学生向けがあり、いずれもオンタリオ州の雇用主からカナダの職業分類(NOC)のスキルレベル0、A、B の職種でフルタイムのジョブオファーが必要とされる。また、外国人就労者は、申請時から遡って5年間のうち2年以上関連した職務経験を有すること、留学生はカナダのカレッジ、大学で2年以上のプログラムを修了し2年以内に申請することが条件となっている。いずれも英語のスコアは必要とされていない。但し、このプログラムを利用できるのは3年以上の営業実績を持つ一定規模以上の企業に限られる。

一方、ジョブオファーが不要なプログラムは、従来のオンタリオ州の大学院修士号、博士号取得者向けのものに加えて、昨年Express Entryの登録者を対象としたHuman Capital Priorities Stream(HCP)とFrench-Speaking Skilled WorkerStream(FSSW)が創設された。前者は連邦スキルワーカー、またはカナダ経験クラスの基準を満たした上で、Express Entry のスコアが現状400ポイント以上の人が対象である。さらに州の要件は、一定期間の職務経験、OINP 独自のポイントシステムで67 ポイント以上取得、学士以上、英語力は全スキルCLB7以上とややハイレベルだ。FSSWの場合は、フランス語のCLB7と英語のCLB6が必要とされる以外の条件はHCP と同様である。

Express Entryにおいて移民申請のInvitationを得るためのスコアアップの方法としては、Labour Market Impact Assessmentの取得が主流である。しかし今後は各州のPNP が充実し、もう1つの方法として注目されるだろう。また、オンタリオ移民法の成立でPNP が法的根拠の下で運用されることは、透明性、公平性の点で大きな前進といえる。

BC州PNPのアップデート

7/2付でBC州政府よりPNP受付再開とルール変更に関する発表がありました。ポイントは以下の通りです。

  • Health Care Professionals, Northeast Pilot Project 及び全ての Express Entry BC の申請書はオンライン申請に移行されます。
  • 上記を除くSkills Immigration(スキルワーカー、セミスキルワーカー、留学生等)の新規申請書は受付再開後、2015年はトータル200ケースのみ受け付けられます。
  • Skills Immigration及びExpress Entryの申請にあたり、メトロ・バンクーバー内では22ドル以上のオファーを得た申請者のみが申請可能となります。(メトロバンクーバー外ではこの制限なし)
  • NOCのスキルレベルBカテゴリーの職種では新たに語学スコア(全スキルでCLB4以上)が必要になります。
  • 2015年3月31日以前に提出された申請書は従来の審査基準が適用となります。

詳しくはBC-PNPのウェブサイトをご確認ください。http://www.welcomebc.ca/pnp

サスカチュワン州、新PNPを発表

サスカチュワン(SK)州政府はジョブオファーなしで州指名プログラム(PNP)のCertificateを取得できる“Express Entry Sub-Category”を発表しました。Express Entry でInviation取得の可能性を高めるにはPNPでノミネートされるか、またはLMIA取得が必要ですが、このプログラムの特徴はSK州で需要のある職種の経験があればカナダ雇用主のジョブオファーが不要である点です。申請書受付数は1,000人となっています。以下はこのプログラムの申請要件です。

  • FSWFSTPまたはCECの申請要件を満たしていること
  • SK州のポイントアセスメントで100ポイント中60ポイントを満たしていること
  • 少なくとも1年以上の高校卒業後(ポストセカンダリー)のプログラムを修了していること
  • 履修内容と関連したNOCのスキルレベル0、A、Bの職種での経験を有していること。また、その職種はSINP In-Demand Occupation List に含まれていること。
  • SK州のライセンスが必要な職種の場合には、該当する職業規制団体からライセンス取得要件を満たしている旨のレターを取得していること。また、スキルトレードの職種の場合は、SK州のCertificate of Qualificationを取得していること。

当プログラムにご興味のある方にはSK州のライセンスを持つコンサルタント による無料アセスメントを提供させていただきます。こちら よりお申込みください。

カナダのPNP(州推薦プログラム)について

Q :今月はカナダ各州の運営するPNP(州推薦プログラム)について取り上げます。以下の記述のうち正しいものはどれでしょうか。

  1. オンタリオ州のPNPでは、州政府で審査中に雇用先を変えることになってもそのまま新しい雇用先で引き続き審査を続行してもらうことができる。
  2. アルバータ州でサーバーとして9カ月以上働き、雇用主から永久雇用オファーを取得できれば過去にサーバーとしての職歴がなくてもPNPを申請できる。
  3. マニトバ州にはたとえ雇用主のジョブオファーがなくても、スキルワーカーとしての職歴と州のポイントシステムで合格点を満たすことにより申請できるプログラムがある。

答え

カナダの各州政府は州の経済発展と労働市場のニーズを満たす人材を確保するために、独自の移民プログラムを持ち、連邦政府からの割り当てに基づいて移民希望者を推薦しています。近年このカテゴリーからの移民は増加傾向にありプログラム内容も多様化しています。また、スキルワーカーの個人移民プログラムで唯一IELTSのスコアが求められていない点もその人気の一因となっていると思われます。

さて、オンタリオ州はもともと移民希望者が多いためそれほどプログラムの開発に積極的ではありませんでしたが、現在のプログラムでは一定規模の売上を持つ企業は、そのフルタイム従業員数に応じて一定数のスキルワーカーを推薦することができます。あくまでも雇用者側の永久雇用オファーがあって初めて州政府から許可を受けるので、途中で雇用先を変えてしまった場合は無効となります。次にアルバータ州は好景気に沸いた2007年頃から急速にプログラムが拡大し、現在でもなおロースキルワーカーの特定の職種においては一定条件を満たすとPNPを申請できるようになっています。サーバー、キッチンヘルパー、カウンターアテンダントの場合は、アルバータ州での9カ月以上の職歴を含めてトータル3年間飲食業での職歴が必要とされます。マニトバ州には州内での6カ月以上の就労と雇用主からの長期雇用オファーによって申請できるものと、マニトバ州との結びつきを重視した独自のポイントシステムでパスマークを満たすと申請できる2つのプログラムがあります。従って今回の正解は3)になります。