第八回 田中潤さん (ペーパーコンサルタント兼移住コンサルタント)

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カナダで活躍する日本人、第8回目は投資移民プログラムから永住権を取得し、現在トロントと東京の両拠点で活動中、トロントの人気ブロガーとしても有名な田中潤さん(以下敬称略) をご紹介します。事前の質問内容にメールでご返信頂きました。


QLS: この度は永住権取得おめでとうございます。長い道のりでしたが振りかえってみていかがでしたか?

田中: 上原さんと初めて新宿の個人面談会でお会いしたのが7年前ですから、振り返ってみれば随分長い時間がかかったなぁという印象ですね。結局、申請出来たのは2010年ですから、3年目でようやく永住権の取得となりました。途中、申請しようとしていたプログラムが次々に休止、閉鎖されていった時には、もはや申請は無理かもしれない、と何度も挫けそうになりました。この間に、日本の置かれている状況も大幅に変わってしまいましたし、まさしく隔世の感がありますね。永住権の申請というのは、正しく記入された申請書類を提出したら、「ただひたすらに待つ」作業になる、ということを痛感させられた日々でした。長期に渡りまして、本当にお世話になりました。有難うございました。

QLS: 田中さんは永住権が下りる前、東日本大震災直後にトロントに来られました。実際に移住を経験されてみてどうでしたか。

田中: 2010年に申請した時点で、カナダの永住権を取得出来る前に、まず妻と娘を移住させることを考えていました。娘が留学ビザを申請したのが2010年12月で、2011年の6月には、妻を保護者としてトロントに留学する予定だったのです。そこに、東日本大震災が発生してしまったので、急遽トロント行きを早め、3月20日にトロント入りしました。当時は、「エアカナダ」が福島県上空を飛ぶことを拒否していたので、一旦関西国際空港に降りてからトロントを目指すという航路でした。トロントの入国審査では、日本から来たことを説明すると、「津波は大丈夫だったのか?」、「家族は全員無事なのか?」、と聞かれるなど、いつもの厳しさではなく、同情されるような雰囲気でした。トロントでの生活も無事3年目を迎えていますし、「見切り発車」でしたが、永住権申請中にこちらに来て、キャリアを積んでおいて本当に正解だったと思います。当然費用はかかりますが、すでに娘の英語も十分上達していますし、トロント生活に何の支障もなくなっています。海外生活は「経験」がすべてだと思いますので、より早い移住が望ましいと思います。

QLS: 現在、東京とトロントを頻繁に行き来されていますが、どのような活動をされていますか。また今後の計画は?

田中: 移動のペース的には、年間トータル半年間の東京滞在をしています。現在は、東京のみで「ペーパーコンサルタント」という「紙専門の」コンサルタントをやっています。出版社での約20年間の「用紙担当者」を経験しまして、自社のコストカットをやり尽くした感がありましたので、独立し現在に至っています。「用紙の品質を落とさずして、コストのみを削減する」をモットーに、出版社様を始め、一般企業様の使用する用紙全般のコストダウンに努めています。近い将来、トロントでも同様の仕事をしたいと思っておりまして、日本の「紙使い」をトロントに「導入」出来ればと考えています。トロントというよりも、北米の書籍及び雑誌の紙使いは、「コスト意識」という意味では、まだまだ手付かずだと思います。日本だけではなくトロントでも、品質を落とさず、よりコストを抑えた本を作るべく、今後はアプローチして行きたいと思っています。また、カナダ、特にトロント移住に関するアドバイザーとしての活動も合わせて行なっています。ガイドブックには掲載されていない、トロントの「本当の姿」及び「魅力」を、ブログを中心に皆さまにお伝えしています。

QLS: 今後、日本から家族でカナダ移住を計画中の方へのアドバイスをお願いします。

田中: どこの国に永住権を申請する場合でも、より早い決断が重要だと思います。また、それぞれのプログラムも1年足らずで内容変更になってしまうケースもあり、タイミングを逃せば、申請不可能という事態に陥ります。永住権取得までの道のりは、最低でも3年だとお考えになっておいた方が賢明です。それ以上の時間を要しているご家族もザラにいらっしゃいますので、「かなりの長期戦」なることをご理解下さい。お子さんがいる場合でしたら、我が家のように取得前に、まず奥様とお子さんを移住させておく、というのも今後は大いにアリだと思います。お子さんを英語社会にスムーズに馴染ませたいのであれば、より早い移住がベストだと思われます。

カナダは、正直日本と比べれば決して便利な国とは言えません。ですが、日本が失いかけている「精神的な豊かさ」を持ち合わせているのは事実です。徹底的ではなく、適度に働く。残業などせず、家族との時間を十分に取る。日本と比較すると、「ユル過ぎる」とおっしゃる方々もいらっしゃいますが、その「ユルさ」こそ日本が忘れたものかもしれません。東京とトロントを行き来するようになり、価値観も良い意味で「ブレンド」されてきました。以前は気が付きもしなかった、東京の「素晴らしさ」や「物足りなさ」も発見することが出来ました。2つの都市から、さまざまな刺激を受けている昨今です。

最後に、エージェント選択についてのアドバイスを少しだけ。

日本国内にオフィスを構えていらっしゃる海外移住エージェントは、家賃、人件費のためか、申請費用だけでもかなりの金額を要求される所もあります。ネット社会とはいえ、現地にオフィスを構えるエージェントの方が、刻々と変わる移民要件に関する情報を掴んでいるのは間違いありません。最初は、無料診断を受けるなどして、ご自分がどのようなプログラムに応募出来るのかを確認し、申請までの費用面も含めて、十分吟味してからエージェントは決定するべきです。「QLSeeker Canada」の上原さんは、可能性がないものはない、とはっきりおっしゃる方で、決して無理をしない所がとても信頼出来ました。いろいろな業者さんがいらっしゃいますし、性格的な面も含めて、「手が合う」エージェントを探して頂ければと思います。探り合いではなく、本音で話せるエージェントに出会えれば、それだけでかなりのストレス軽減となりますので。少しでも私の意見が、カナダ移住の参考になれば幸いです。

QLS: ありがとうざいます。今後の一層のご活躍をお祈りしております。