カナダの税金

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カナダの税金制度についてQA形式でお答えします。

Q: カナダの所得税率について教えてください。

A: 所得税には国家レベルで課される連邦所得税と、各州の州所得税の両方が課されます。所得額に応じて税率が異なります。以下は2012年3月現在のカナダ歳入庁データ

連邦税

年間課税所得 税率
最初の$40,707の所得金額分 15%
$40,707 から $85,414までの所得金額分 22%
$85,414 から $132,406までの所得金額分 26%
$132,406以上の所得金額分 29%

州税

税率
ニューファンドランド・ラブラドール州 $32,893以下の所得分は7.7%
次の$32,892の所得分12.5%
$65,785以上の所得分13.3%
プリンスエドワードアイランド州 $31,984以下の所得分は9.8%
次の $31,985の所得分13.8%
$63,969以上の所得分16.7%
ノバスコシア州 $29,590 以下の所得分8.79%
次の$29,590の所得分14.95%
次の$33,820の所得分16.67%
次の$57,000の所得分17.5%
$150,000以上の所得分21%
ニューブルンズウィック州 $38,190以下の所得分9.1%
次の$38,190の所得分12.1%
次の$47,798の所得分12.4%
$124,178以上の所得分14.3%
ケベック州 N/A
オンタリオ州 $39,020以下の所得分5.05%
次の$39,023の所得分9.15%
$78,043以上の所得分11.16%
マニトバ州 $31,000以下の所得分10.8%
次の$36,000の所得分12.75%
$67,000以上の所得分17.4%
サスカチュワン州 $43,065以下の所得分11%
次の$78,120の所得分13%
$120,185以上の所得分15%
アルバータ州 所得の10%
ブリティッシュコロンビア州 $37, 013以下の所得分5.06%
次の$37,015の所得分7.7%
次の$10,965の所得分10.5%
次の$18,212の所得分12.29%
$103,205以上の所得分14.7%

Q: カナダには相続税がありますか。

A: カナダには相続税はありません。但し、被相続人の財産を100%相続できるわけではありません。被相続人の所有する不動産や株式に購入時からの値上がり益(キャピタルゲイン)があった場合はその50%に課税されます。例えば、被相続人が50万ドルで購入したコンドミニアムの価値が相続時に90万ドルとなっていた場合は、(90万-50万)x 50% = 20万ドルに対して課税され、その分を差し引いた残りの額を相続することになります。但し、これには例外があり、このコンドミニアムが被相続人の主たる居住用家屋(Principal Residence)であった場合は課税を免除されます。また、RRSP(Registered Retirement Saving Plans:登録退職貯蓄基金)は通常死亡と同時に取り崩されて課税され、その残りを相続することになりますが、受益者に配偶者等を指定することによって取り崩しを避け全額相続することが可能となります。(後日取り崩しの際に課税されます)

Q: 家族でカナダに移住した場合、日本国内の資産には相続税はかかりますか。

A: 親か子のいずれかが日本に住んでいる場合は、親の資産が日本、カナダのどちらにあっても全て日本の相続時の課税対象となります。一方、親子ともにカナダに住んでおり、相続の始まる5年以内に日本に住所がなかったと認められる場合には、カナダの資産には日本の相続税がかからず、日本国内の資産のみに課税されることになります。またこの場合、親がカナダで資産管理会社を設立して、日本国内の資産を直接所有するとその資産は海外資産となり相続税がかからなくなるという節税も可能となります。

Q: 消費税はどのくらいですか。

A: 消費税にあたるものとして、GST(連邦売上税)とPST(州売上税)があります。 GSTは5%です。州によってはGSTとPSTを合算し、Harmonized sales tax(HST)としてまとめて課税しているところもあります。(下記表参照)
※各州のPST税率比較(2012年3月現在)

税率
ニューファンドランド・ラブラドール 13% HST
プリンスエドワード島 10% HST
ノバスコシア州 15% HST
ニューブルンズウィック州 13% HST
ケベック州 9.5%
オンタリオ州 13% HST
マニトバ州 7%
サスカチュワン州 5%
アルバータ州 0%
ブリティッシュコロンビア州 12% HST

Q: GSTが除外されるものには何がありますか。

A: 代表例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 一般的な食料品
  • 処方薬、医療器具などの大部分
  • 医療サービスの大部分
  • 賃貸料
  • 中古住宅購入費
  • 公共交通費
  • 法律支援サービス
  • 銀行業務
  • 公立や一部の私立教育機関の授業料

Q: 固定資産税はありますか。

A: 不動産の評価額に基づき、市町村が課税します。例えばトロント市では4年ごとの査定によって各年の評価額が決定され、2011年現在では、家屋には評価額の0.7929218%が課税されます。

Q: 永住権取得後も日本とカナダを行ったり来たりする予定だが、カナダと日本の両方から課税されるのですか。

A: 不動産の評価額に基づき、市町村が課税します。例えばトロント市では4年ごとの査定によって各年の評価額が決定され、2011年現在では、家屋には評価額の0.7929218%が課税されます。

Q: 永住権取得後も日本とカナダを行ったり来たりする予定だが、カナダと日本の両方から課税されるのですか。

A: 居住者と非居住者で税法上の扱いが異なります。以下4つの居住形態に分けて御説明します。

通年居住者
年間を通してカナダに居住している人は、所得の発生した場所によらず、またその所得がカナダに送金されたかどうかに関係なく、全世界での所得に対してカナダで課税されます。但し、国外での所得に対して国外で課税された場合は、その外国税額が控除の対象になります。

非居住者 
カナダの居住者でない人、つまり対象年度中の滞在期間が183日未満の人は、カナダ国内での役務に対して支払われる給与所得などの報酬やカナダ国内で行なった事業から得た所得など、カナダ源泉所得についてのみカナダで課税されます。但し、その間報酬を支払った雇用者がカナダの居住者ではなく、かつ、報酬を負担する雇用主がカナダ国外にある場合はカナダでは課税されません。(米国居住者については追加条件あり。)

中途年度居住者 
対象年の途中でカナダに入国またはカナダから出国するなど、年間の一部のみカナダに居住している場合は、カナダに居住しカナダで雇用されるか事業を営んでいる期間についてのみ、全世界の所得がカナダで課税されます。入国前及び出国後の期間は非居住者として扱われカナダでは課税されません。

みなし通年居住者 
居住の拠点をカナダ以外の国に置いた人が、対象年中のカナダ滞在が通算183日以上に達した場合はその対象年についてはカナダの通年居住者とみなされます。 但し、租税条約適用の結果、カナダの居住者でないと判定された場合はカナダでは非居住者の扱いとなります。(以下の例)

Q: カナダでの長期滞在が年間183日を超えているが、日本に家もあり、家族を日本に残している場合はカナダ、日本のどちらから課税されますか。

A: 日本とカナダの税法においてどちらの国の居住者ともなり得る場合、その判定にあたっては、二国間の租税条約(日加租税条約)の規定が優先されます。この規定によれば次の順序で検討しどちらか一方の居住者と判定します。その判定の際の基準とは、

  • 恒久的な住居がどちらにあるか
  • 個人的・経済的関係がより密接なのはどちらか
  • 常用の住居がどちらにあるか
  • 国籍がどちらにあるか

このケースでは、カナダでみなし通年居住者となる一方、日本でも日本の居住者として取り扱われる可能性があります。上記判定基準に従うと、租税条約の適用によってカナダの非居住者として扱われるため、日本を源泉とする所得についてはカナダでは課税されません。

Q: カナダで納税申告の義務があるのはどのような場合ですか。

A: ある暦年中に通年居住者、中途年度居住者、あるいはみなし通年居住者であった個人は、カナダで納税申告の義務が発生します。非居住者についても、カナダ源泉の給与所得、事業所得があった場合や、課税対象となるカナダの資産(カナダの不動産やカナダの非公開会社の株式等)を処分した場合は、納税申告の義務があります。但し、カナダ源泉所得を受け取った場合でも、非居住者に適用される源泉税が既に徴収されている場合(利子、配当、賃貸収入、RRSPの取り崩しなど)は納税申告書の提出は義務付けられていません。

Q: カナダでの納税申告はどのように行いますか。

A: 個人事業主、企業の就労者にかかわらず自己申告制です。納税者となる個人は、前年の課税所得と税額を計算し毎年4月30日までにカナダ歳入庁(CRA)に納税申告書を提出します。尚、夫婦合算申告はカナダでは認められていません。

Q: 源泉徴収されるものには何がありますか。

A: 雇用主は、CPP(カナダ年金基金掛金)、EI(雇用保険料)及び所得税を源泉徴収しています。一方、個人事業主の事業所得、居住者の投資所得、またはカナダ国外源泉の給与所得のように源泉徴収されないものは、最終的に納税申告の際に報告しなければなりません。

Q: 課税対象となる所得には何がありますか。

A: 以下の所得が課税の対象となります。

  • 給与所得(駐在員の場合、日本の親会社からのボーナスも含む)
  • 投資所得(利子・配当・賃貸料・ロイヤルティー)但し、日本で支払った税金の税額控除有
  • キャピタルゲイン(居住者の場合50%)
  • 事業所得
  • RRSP取り崩し
  • 年金
  • 離婚手当など
  • その他課税対象ベネフィット

Q: 所得控除となるのは何がありますか。

A: 以下のものが課税所得を計算する際に所得から控除することを認められています。

  • RRSP
  • コミッション・セールスマンがコミッション稼得のために使った費用
  • 職業上所属する協会に支払った年会費
  • 収入を得るために子供を保育所に預けた場合の費用
  • 転任費用自己負担分など

Q: 課税所得から税額控除を受けられるものには何がありますか。

A: 税額控除を受けられるものは以下の通りです。

  • 個人基礎控除(年齢、配偶者の有無、扶養家族の課税状況などにより控除額が異なる)
  • 子女の授業料
  • 外国税額(国外の投資所得など、国外源泉所得に対して支払った外国税額)
  • 医療費(健康保険によりカバーされなかった医療費、例えば歯科医など)
  • 慈善団体に対する寄付金

Q: RRSPとは何ですか。

A; Registered Retirement Saving Plans(登録退職貯蓄基金)の略で、節税目的の貯蓄として人気があります。給与所得またはその他の勤労所得のある69歳までのカナダの納税者は毎年一定の金額までRRSPを購入することができます。この金額は毎年の課税所得から控除され貯蓄基金から生じた利息は引き出さない限り課税されません。RRSPは資金取り崩しの際に課税されますが、老後になると所得が減り税率も低くなるので節税効果があるとされます。

Q: Tax-Free Savings Account (TFSA)とは何ですか。

A: 2009年よりはじまった節税のための預金口座です。18歳以上のSIN(Social Insurance Number)を持つ個人であれば口座を開設し、毎年5000ドルずつ生涯を通じてTFSAに貯蓄できます。この口座における元本、運用益(投資利益、キャピタルゲイン)は引き出しの際に非課税となります。